パティシエパンの誕生から完成まで
パティシエパンの焼成は全て、コンピューターで温度と湿度を管理されたスチームオーブンで行います。スチームをかけながら、ゆっくりとじっくりと「プリン」を製造するように焼き上げる、その特徴的なレシピと製法は偶然によって生まれました。ある朝、食パンを焼成する際に5段階に設定されたプリン用のボタンを誤操作、出来上がった品を取り出して試食したところ、これまでに感じたことのない滑らかな食感のパンが焼き上がっていました。「こんな美味しいパンは食べたことがない」しかし、そのパンは柔らかすぎて保形性が取れておらず、いびつな形に崩れていました。そこから新しいレシピの研究を開始。半年間の研究開発を経て、驚きの柔らかさを損なうことなく、しっとりと水分を含んだ生地(クラム)、限りなく薄く舌触りを感じさせない滑らかさの耳(クラスト)を持つ二種類の食パン「焼き食パン」「生食パン」が完成しました。
さらに、その生地を各地で再現できるように研究を重ね、そして仕上がったものが現在のレシピです。門外不出で囲い込むのではなく、日本中の人に最高の「パティシエパン」を食べてもらいたい。毎日の朝食には焼き立てのパンが並んでいる。そんな平和で幸せな時間を想像して。今日も各地でパンを焼いています。